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「シンプル」についての勘違い [トレーダー]


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トレードに関して、「シンプル」という言葉がよく勘違いされています。

その一例として、
「シンプルなトレードとは、単純なルールに基づいて行うもの」
というものです。

たしかに、必要以上に複雑なルールで執行するのがよいわけではありません。

しかし、相場の世界の本質は「変化」です。
常に新しい相貌を見せ続けています。

千篇一律の機械的なトレード方法は、原理的に機能し続けるはずがないのです。

料理がよい例えです。
まずは、よいレシピは必要です。
しかし、同じレシピを使用しても、誰がつくるかで違う味になります。

なぜか?

料理の味を決定するのは、当然ながら単にレシピではないのです。

材料の素性・鮮度、包丁の選択・切れ味・切り方、鍋の選択、
加熱するときどのような熱源を使うか、火加減の調節、
あるいは、下こしらえの出来、盛りつけの工夫

さらに、季節や食べる相手によって味付けもアレンジする・・・・・・・

レシピには表現しきれない項目がたくさんあります。

料理は複雑です。
しかし、複雑なのは料理に限りません。
この世界はもともと複雑です。

複雑であるからこそ、実は、無意識に行動できるレベルまでスキルを習熟させるのが
重要なのです。

最初はこれらの項目について、一つ一つ意識的に判断し、執り行うことになります。
おそろしく手間がかかり、精神的にも大きな負担となるはずです。

初めてゴルフクラブを握った初心者が、スイングの仕方を教わったときに
そのあまりの不自然さに驚くのと似ています。

しかし、その方向にしか成功はない。
初心者の感覚ではなく、それがその世界では合理的な行動なのです。
無駄な反発はあきらめて、その練習を繰り返します。

やがて、無理がなく、無駄がなく、ムラのない合理的な行動が
無意識のうちに遂行できる。

誰が見ても単純に理解できることや、機械的なルールに基づいて執行することは
あまり価値のある「シンプル」ではありません。
実際、そのような手法で勝ち続けている人はどこにもいません。
(まあ、それで勝てるならば、世界中から貧乏人などいなくなります。笑)

その世界で合理的な原理に基づいた行動が無意識に実行できる。
つまり、習慣化です。

スキルを習熟させ、無意識のうちにその世界の原理原則に基づいた合理的な行動を
実践できる。

これが、わたしの考える「シンプル」です。

価値のある「シンプル」とは、外にあるのではなく、その人自身の中にある。
属人的な特性といっていいかもしれません。


なお、相場の世界の本質は「変化」です。
したがって、そのスキルは永久に機能するとは限らないので、アップデートし続ける
学習も必要です。

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