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オプショントレードのお誘い 2 (ボラティリティ) [相場観]


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オプショントレードに原理的に備わる優位性について書く前に
ボラティリティを明確にしておく必要がありました。

オプションではボラティリティとして標準偏差を使います。
標準偏差とは統計学の中心となる変数です。
真の値は分からないので、実在するサンプルから抽出して
散らばり方を調べ、その値を推定します。

オプションでは満期における日経平均の分布という概念を
用います。
すでに起こってしまった過去のボラティリティは実在しますが、
満期という未来のボラティリティはまだどこにも存在していません。

すでに起こってしまった過去のボラティリティをヒストリカルボラティリティと
呼びます。
ヒストリカルボラティリティは過去に発生した単なる事実ですから、
チャートと同じようなものです。
つまり、将来のボラティリティを考える際に、トレーダーたちはみんな
過去の動きを踏まえて戦略を立てるので不可欠ではあるけれど、しかし、
将来のボラティリティを予測できるツールではないのです。

では、将来のボラティリティとはどんなものか。
フューチャーボラティリティという概念がそれにあたります。
残念ながら、概念としては存在しても、誰も見ることができない幻の
ような存在です。
現在と未来を行ったり来たりして視点を入れ替え、予想したボラティリティが
正しかったかどうかを事後的に検証します。
未来になってから、過去になった現在を振り返らないと確認できないわけで、
要するにヒストリカルボラティリティでしかありません。

フューチャーボラティリティと混同されやすいのが、インプライドボラティリティ
です。
これは、BSモデルから逆算したボラティリティで、過去のデータを一切使わずに
単なる数値計算によって導き出したものです。
つまり、ヒストリカルボラティリティが、過去の(原資産の)継続的な価格変動を
元に算出されるのに対して、インプライドボラティリティは市場で取引されている
オプション価格から算出されます。

したがって、現時点における需給価格を反映したものであり、現状追認指数とでも
いうべき性質のものです。
モデル逆算ボラティリティであり、将来のボラティリティを予測するものではありません。


煩雑な概念がたくさん出てきましたが、これらの概念から、オプショントレードの
優位性について次回は述べたいと思います。
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オプショントレードのお誘い 1 [相場観]


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個人のオプショントレーダーは非常に少ないです。
これにはもっともな理由があります。

入門書を読むと、たいてい「Callとは買う権利である」とか
「Putとは売る権利である」から始まっています。

たいてい、ここで頭は、「?」となりますよね。
「買う権利とか売る権利とか、それはなんだい?」

次に、20375円の買う権利(Call)を85円で売って、満期まで
持っていたときに・・・・・・・なんて文章が出てくると、
「たしかCallは買う権利だろ? それを売るというのは・・・?」

そして、20375円の買う権利を85円で売ってから、さらに19500円の
売る権利を100円で売る。ヘッジとして、19875円の売る権利と
20000万の買う権利の2つを買う。
合成損益を求めた後、現時点のデルタ、ガンマ、セータ、ベガを
計算してリスク評価を行う。

こんな内容になってくると、とうてい、考えたくもなくなります。笑

しかし、実際に取り組んでみると、それほどでもありません。
事実、利益を出すこと自体は驚くほど簡単です。
逆に言うと、簡単に利益が出てしまうためにこそ、危険があると
言っていいくらいです。

次回は、オプショントレードに原理的に備わっている優位性について
書きます。
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異常に低い日経平均Vi [相場観]


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日経平均の動きがおそろしく小さいですが、日経平均Viにもそれが現れて
います。

こうなると、オプショントレーダーはすっかり手持ちぶさたになります。
手出しをしないでいて、やがてやってくるチャンスに投入できる資金を
きっちりと確保しておくのがいいです。
(きわめて個人的な感覚ですので、なんの確証もありませんが、北朝鮮に
関わるきな臭い状況が発火する危険を感じています。)

どうでもいいことですが、6月あたりからスーパーの店頭にブラックベリーが
よく並びますが、これが好きです。
プチプチして、いったんあの味わいを覚えると、止まらなくなります。

近所のスーパーで、1パック1.79ユーロです。

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一時多くのユーザーを引きつけたあの「ブラックベリー」も、この果物から
名前がついたのでしょうかね。
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ウィーン街歩き 21 クリーニング店と高級レストラン [旅行]


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先日、ドレスシャツをクリーニング屋さんに洗濯に出しました。
通常はアイロンがけの必要のないシャツを使っていますが、
妻の知り合いの方がハウスコンサートを行った際には、さすがに
糊の利いたシャツが必要なので、それを準備するためです。

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壁のポスターでも分かるとおり、相当な老舗です。
100年以上続いているようです。

日本ではビニール袋にパックしたりかぶせたりするのが一般的ですが、
ここではたたんでから店の専用紙で包むことになっています。

日本のたたみ方より一回り大きくたたんでいますので、置き場所はやや
かさばります。(料金は、シャツ1枚 3.5ユーロでした。)



ご存じの方も多いかもしれませんが、ヨーロッパで襟付きのシャツを着て、
スーツで仕事をしている人たちはある種の実体的なステータスを持っています。
日本でのスーツ姿はありきたりなのに比べ、大きく異なるところです。
かれらのスーツは仕立てがいいので、われわれの既製服とは段違いと
いうのもあります。

ウィーンもその例に漏れず、「ホワイトカラー」は他人の目にもはっきりと
わかるようなプライドを持っています。

例を挙げるならば、地下鉄には乗らない、短距離フライトでもエコノミークラス
ではなく、必ずビジネスクラスを選ぶなどです。
(ヨーロッパ域内のフライトでは通路を挟んで3席×2=6席のエアバスA320系が
使われていて、ビジネスクラスといっても、ただ前方の座席で食事が出るだけ
という程度の扱いなので、わたしにはほとんど価値を感じられません。)

店に出入りするお客さんたちからも見当がついたのですが、その種の
階層の人たちが利用するクリーニング店のようです。



ふだん街歩きをしていて、この種の人たちに遭遇する場面は多くありませんが、
次のようなレストランでは頻繁に遭遇します。
生活空間が異なっているというわけですね・・・・・


※わたしも通常はこのようなレストランは利用していません。
たまたま必要があってこのときに行っただけです。
なお、デリケートな話題になりますので、お店が特定できるような
写真は避けることにします。

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ちなみに、このレストランはメンバー制で、一般の人は火曜日と
日曜日限定で利用できます。
普通に年会費を支払うと、馬鹿臭いくらい高額です。


しかし、店の人間が認めてくれると、その限りではないというところが
いかにもヨーロッパ的です。
つまり、年会費を払わなくても、会員同様の扱いをしてくれるのです。
ウィーン在住ではない場合、年会費を支払うのはあまりに不合理ですから、
そのあたりを考慮した柔軟な対応といえるかもしれません。

条件としては、
・店の格式に見合った風采であること(服装、外見)
・店に利益をもたらしてくれること
 (売り上げ、チップ)
だと推測しています。


特にチップはかなり重要な要素だと思われます。
(これは大衆的な店ではほとんど意味がありません。
彼らにはチップに見合うだけの便宜を図れる何かがないからです。)

なぜこんなことを感じたかというと、このときに実際に体験したからです。

クレジットカードで明細通りに支払った後に、相手の反応を知りたくて
現金でチップを渡したのです。
もとの料金が安くはありませんから、チップもおのずと大きくなります。
そして現金ですから、金額は他の誰にもわかりません。

チップのユーロ紙幣を受け取った相手が、笑顔で手早く自分の名前を
記した紙をそっと渡してくれたことは非常に印象的でした。

この国では、営業スマイルであってもこれほど完璧なスマイルには
なかなか出会うことはできません。笑

そんなとびきりの笑顔とともに、彼女はそっと小声でメッセージを
ささやいてくれました。

次回は火曜日・日曜日でなくても、わたし宛に電話してくだされば、
予約を入れておきます。
もし、わたしがいなくても、わたしがOKだと言ったと伝えてくれれば
問題ありません。次回もよいお席をお約束いたします。

彼女の一存と言うよりも、店自体の方針なのですね。

いろいろと考えさせられるヨーロッパの側面です。
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ウィーン街歩き 20 路面電車のレール掃除 [旅行]


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珍しい遭遇です!

路面電車のレールを掃除する車両が実際に作業している場面を
見ることができました。

路面電車のレールは道路に埋没しています。
しかし、車輪はそのレールに食い込んでいなければ脱線します。
つまり、レールのわきには深い溝が原理上存在します。

となると、様々なゴミがその溝に集まってきます。
放置していれば、どんどんゴミは増えます。
掃除しなければ、運航に支障が出ます。

以前から気になっていました。

本日、その清掃車を初めて見ることができました!

ごく小さな丸い車輪が溝の中で回転していて、ゴミをかき上げていました。
とても簡単な方法でした。

かき上げたゴミがどのように処理されるのかまでは気づきませんでした。
また、レール自体を磨いてもいるのかもしれませんが、それも確認は
できていません。
カメラを取り出し、この写真を撮影するだけで精いっぱいでしたから。

これまでずいぶんと夜中に散歩もしていましたが、こういう機会に出会うことは
ありませんでした。
こんな車両はそうそう多くはないでしょうから、当然ですよね。
また、計画的に稼働させているのでしょうから、なおさらです。
路面電車の運行が少ない夜間・深夜に作業しているのでしょうが、
それにしてもこれまでに一度も遭遇したことはなかったです。

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後輪の前でライトに照らされて白く輝いているのが、それです。


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ウィーン街歩き 19 電話ボックス [旅行]


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本日7月14日、SQ値は20151円でしたね。
昨日のうちに決済しなければ利益を上乗せできましたが、SQでの
動きにむだに翻弄されないことを今回は選択しましたので、よしとします。


現在、まだウィーンに滞在しているのですが、昨夜夕食の後で街を散歩して
いたらおもしろいものを見つけました。


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劇場の真ん前に、それはありました。
形は電話ボックスです。


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しかし、中に電話機はなく、本が並んでいます。
「いったいなんだって、電話ボックスに本があるんだ?」と思いましたが、


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「みなさん、ご自由に読んでください」という表記がありました。
いろいろな人たちが不要になった本を持ち寄っているようです。
また、演劇関係の書籍もありました。
ただ放置するだけでは荒れてしまいますから、おそらく劇場の方が
管理しているみたいです。

つまり、今は使われなくなった電話ボックスを撤去せずに、再利用
しているのですね。


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それにしても、このワイングラスは何だろうという疑問は残りますが、
近くのカフェから持ち込んで、中で飲んで放置したのでしょうかね。



最後に一つ、ニュースです。
昨年の秋に、日本とオーストリアを結ぶ直行便を運航していたオーストリア
航空が路線を廃止していたのですが、どうやら復活するようです。
そのあおりで今年は中国経由を使う羽目になりましたし、来年の航空券も
ANAで乗り継ぎをすでに予約しています・・・・・・・
うれしいのですが、ちょっとばかりショックでもあります。

https://www.austrianairlines.ag/Press/PressReleases/Press/2017/07/037.aspx?sc_lang=en&mode=



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ザキントス島 10 レストラン その2 [旅行]


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明日が7月SQですが、ほぼ利益を確定しました。
いつもとほとんど同じ程度ですので、特に感想もありません。


さて、今更ですが、まずは滞在した場所です。



Argassi という地区です。

1.空港から近い
2.遊覧船の発着場所から近い
3.観光客の受け入れ施設が多い

などの特徴を持っています。
今回のように、旅行会社が手持ちの宿泊施設や航空券を期限直前に
売り払う場合、出やすい地域だと思われます。


レストランですが、非常ににぎわっているところを発見しました。
ここです。「ZORBAS」というところです。

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次のは大きくて申し訳ありませんが、よかったらクリックしてご覧になって
ください。

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この写真を撮影したときは、午後5時少し前です。
6時ごろになると、連日ほぼ満席です。
8時以降になると、ウェイティングリストに名前を書いて、じっと路上で待つことになります。

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店員の動きはきびきびしていますし、料理もどんどん出てきます。
しかし、客はゆっくりと過ごしていいことになっています。
そうはいっても、目の前の路上に長蛇の列ができていると、さすがにあまり
長居はできませんでしたが。

特徴として、ボリュームが多いのは他の店と変わりませんが、味付けが微妙に
いいのです。
わたしは特に食通ではありませんから、言葉でそれをうまく伝えることは
できませんが、わたしを含め世の中の大半の平凡な舌の人たちでも
その違いがわかる、といったらいいかもしれません。

価格設定も他店とほとんど同じですから、その割安感も引き付ける理由かも
しれません。

どう見ても観光客としか見えない人たちが店主とあいさつを交わす場面に
何度も遭遇しましたが、たぶん、滞在中に何度も来店しているのだと
思われました。
(事実、わたしたちも2度目からなじみ客のように店主に迎えられました。
滞在場所周辺でほかにアジア人を見かけませんでしたから、きっと目立って
いたのでしょうが、店主がやり手であることもたしかです。)

注文したのは、以下のような料理です。
量はたっぷりありますので、一人一品の料理と飲み物だけで十分でした。
特別値段が高い料理でなければ、二人で30ユーロ程度ですむはすです。

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ザキントス島 9 レストラン その1 [旅行]


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夕食がついていないプランでしたので、いつも外食でした。

まずは遊覧船をあっせんする業者おすすめのところに行きました。

ここでただ、「おいしかった!」でも悪くはないのでしょうが、
そんな記事ならばそこらじゅうに氾濫していますから、別の切り口で
いきます。

トレーダーですから、今回は潔く価格情報のみにします。
つまり、メニューを全部紹介します。
店主は快く了解してくれました。

ザキントス島ではごくありふれた店ですから、この島でのだいたいの価格水準が
推測できるのではないかと思います。
味も十分納得できるレベルです。

旅行時点のレートは、1ユーロ 126円ぐらいです。

ご興味のある方は、面倒ですが、クリックして拡大してその数字を見てください。
特にご旅行を計画している方にとっては、いくらかでもお役に立てるのではないかと
思います。

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ザキントス島 8 スーパーマーケット [旅行]


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マヨルカ島に行っていました。(これは、後ほど書きます。)
旅行中の更新は忙しいですね。

本日は、7月11日ですので、もうすぐ7月SQです。
ほぼポジション調整も終了していますので、あとはじっと待つだけです。

本日のウィーンは寒いです。長袖長ズボンは当然として、外出時には
日本で秋冬に着用するようなパーカーを羽織っていった方がよさそうな
くらいです。


今回は宿泊していたホテルの近くのスーパーマーケットについてです。
品ぞろえを見ると、この地域の特性がよく表れていました。

まずは店内の様子です。

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暑いところですから、大きな水のペットボトルや冷えた飲料が大量に陳列
されています。

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目を引くのは、ワインの量り売りです。
Local Wine とうたっているのですから、この周辺でつくられたもの
なのでしょう。

このタンクから自分でペットボトルに注いでレジに持っていく、という
システムです。
上に小さなカップも置いてあり、試飲もOKとなっています。

かなり豪胆な販売方法です。

3種類ありますが、どれも1リットルあたり2.2ユーロです。
かなり安いです。
その分、味もそれなりのはずです。

旅行客も買うでしょうが、これをお土産にするのはちょっと無理が
ありますから、どちらかというと地元住民が主な対象の商品です。

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オリーブオイルにも量り売りがありました。
1リットル5.7ユーロ、1.5リットル8.5ユーロです。

これはもう、地元住民が対象ですね。
それにしても、ずいぶん大量に消費されています。

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そして、オリーブの実です。
これも量り売りです。

味付けをしたオリーブオイル漬けです。
これも試食は自由になっています。

つまり、さっきのワインとこれで無料の酒盛り、です。(笑)

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真空パック詰めの商品もあります。
これらが旅行者向けで、量り売りは地元住民向けですね。

それにしても、オリーブの実をオリーブオイルに漬けただけなのに、
これだけ多種多様な製品ができてしまうのは、まさにこの土地の
食文化の基盤なのでしょう。

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オリーブを素材にしたボディクリーム、ボディソープなどのスキンケア
商品も、大量に陳列されています。
なんと貝殻さえも商品として、けっこう高めの値段設定がされています。
ギリシャの海岸にはほとんど貝殻が落ちていませんでしたので、おそらく
生息数も少ないのでしょう。

これらはほぼ確実に旅行者向けでしょう。



さほど大きくない店内でしたが、気候、地域の特性、販売対象者を考慮した
品ぞろえです。
日本のスーパーでは惣菜類が多いですが、ここにはほとんどありません。
そのぶん、他のヨーロッパ地域同様、ハム、チーズ類が多く、きっと
それに代わる役割を果たしているように思われます。
普通のバケットが袋詰めで売られていますから、簡単にサンドイッチを
つくれますからね。

なお、ここの特徴として、小さな平凡な店の割に野菜類が新鮮で安いです。
特に、トマトやパプリカが見事です。
実際にホテルの部屋でサラダを作りましたが、味が濃いです。
さすが太陽の国です。
ウィーンのスーパーが太刀打ちできないところです。

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【要点】トレードの訓練とメンタル [学習方法]


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知識、知能、知性についての明確な区別を述べている文章を
先日初めて読みました。

非常に興味深いので、それを使って書きます。



知識:「知識」とは、言葉で表せるものであり、書物やウェブを通じて学べるもの

知能:「知能」とは、「答えの有る問い」が与えられたとき、いかに早く、正しい答えを見出せるかという能力のこと

知性:「知性」とは、「答えの無い問い」が与えられたとき、容易に答えなど得られないと分かっていて、なお、その「問い」を粘り強く考え続ける能力のこと

 http://diamond.jp/articles/-/92236



筆者はビジネスについて述べていますが、トレードに関してもよくあてはまります。


トレードがこれらのなかでどの能力に深くかかわっているかは明瞭です。

知性です。



チャートが4本値を表現するものだとか、移動平均線が過去〇本分の価格の
平均値であるとか、などは知識に該当します。

これらの知識はあるにこしたことはありません。
というか、この程度は知っていないと箸にも棒にもかかりませんが。

やっかいなのは、トレードについて、ついつい「答えのある問」と考えたくなる
点です。

チャートを見ていて、あるタイミングになったらエントリーする、というような
トレードを行っているのですから、そう考えたくなるのは当然の心理です。

勝ちトレードで終わればいいのですが、負ければ、その原因をチャートリーディングに
求めたくなります。(チャートリーディングの有効性に関して、異論を持っているの
ですが、煩雑になりますので今回は触れないことにします。)

つまり、チャートリーディングの精度を高めようという努力を「極めたくなる」
わけです。
ある程度までの訓練は有効です。しかし、極めようというのは逆効果です。

これが「迷いの森」に入り込む第一歩です。

本来、「知性」で処理すべき問題を「知能」で解決しようというのですから、
ちぐはぐです。

仮に、過去とまったく同じ相場状況が再現されたとしても、同じ操作を
行ったとき、異なる結果が出るのは普通なのです。

よく考えると、これは受け入れにくい現象です。


例えてみれば、次のような話です。

あなたの奥さんは甘いものやお酒が好きで、漬物が嫌いだとします。
普通であれば、ケーキやワインを買って帰れば喜んでくれるでしょう。
しかし、せっかくよいものを選んで持ち帰っても、喜ぶどころか
怒り出すことさえあるし、漬物を見て喜ぶこともあるというような話なのです。

日常生活であれば、
「結婚記念日に、高級フレンチレストランの予約をとっておこう」
とか、
「最近、体重が増えてきたことを気にしていたから、電話をして確かめてから
ケーキを買うかやめるか決めよう」
とか、様々な工夫をすることで満足度を向上させられるものです。

トレードにおいても非常に似ていて、まずは適切な学習を積み重ねない限り、
勝てるはずはありません。
特に実際のトレード履歴の分析は必須で、勝っているトレーダーのものと自分の
ものを比較すれば、如実にその違いを理解できます。

同じ手法をやっていても勝てないという人たちは、実際のところ同じトレードを
やっていないのです。
だから、勝てていないのです。
やれていれば、まったく同じとは言わないまでも似たような成績を出せている
はずです。

繰り返しますが、適切な手法を採用していたとしても、勝てていないとしたら、
それはその手法通りにやれていないのです。
それを自覚するためには、実際に勝っている人のトレード履歴と自分の履歴を綿密に
比較する以外にありません。

勝っている人と負けている自分の「違いを生み出す違い」を自分の手で確かめること。

しつこく書きます。

必須です。




さらに、トレードにおいては、こうした努力にばかり目を向けると、
今度はスキル至上主義の罠にとらわれてしまいます。

スキルは高いに越したことはないけれど、いくらスキルを磨いても常に勝てる
わけではありません。

答えは存在しないのですから、いつもうまくいくような「解決法」も
原理上存在しません。
したがって、確率的に成果が残るような操作を繰り返すしかないのです。

勝とうとするのではなく、ルールに基づいて適切に「処理」を行うという意識の方が、
どちらかというと適しています。



「ある特定の状況になったら、そうする」のが自分の手法である。
そうするしかない。だから、そうする。

自分の手法では、「こういう値動きを取ろうというのだから、こうなったら
エントリーしないわけにはいかない。」

先ほどの例を使って言うならば、
奥さんの好きなものを買って喜ばそうという手法を採用しているならば、
金曜日の仕事帰りに奥さんの好きな高級カマンベールチーズが50%引きに
なっているのを発見したら、ワインと一緒に買って帰るしかないのです。(笑)

喜んでもらえるかどうかはわかりませんが、あえて見送る理由はありません。
まして、漬物を買って帰るというのはありえません。
そうするしかないのです。

喜んでもらえるかどうかという結果には執着せず、自分のいつもの
手法を適切に執行することだけに意識を向ければいいのです。

このときに、勝っているトレーダーの履歴を研究したことが役に立ちます。
過去において、必ず似たような状況があったはずです。
そのときにどんな操作をしたのかを見ればいいのです。
何通りかの事例がすぐに見つかるはずです。
それらから選択すればいい。

同じ結果が出ることを期待するのではなく、それが適切な処理の仕方だから、
そうするしかない。
この意識で淡々とやれるならば、メンタルはうまく機能していると言えます。


こうした経験を積み重ねていくうちに、直観や洞察力が磨かれていきます。
そうなると、いくつか想定できる選択肢から落ち着いた気持ちで選べるように
なっていきます。
(これも詳しくは後日書きたいと思いますが、何を選ぶかが重要であるのと同じように
どのような感情、どのような心境でそれを決断したのかもとても重要です。
焦ったり、恐怖を感じているときには得てしてひどい選択をしてしまうことが
よくあります。)


勝てるようになるというのは、こういう訓練の積み重ねです。
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