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乗り継ぎ失敗の顛末 2 [旅行]


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Do it yourself.

この言葉はいやがうえにも強く記憶に残っている。

これまでにもフライトの遅延で乗り継ぎがうまくできないことは、
経験してきている。

飛行機の遅延はごく日常的なのだ。
天候が原因となる遅延などそのなかでもあまりにありふれている。

しかし、これまでは到着した空港カウンターに行けば、どんなに不親切な
対応であれ、次のフライトやその日の宿泊に関して手配してくれた。

ところが、今夜はそうはいかない・・・・・・・

「この近くのホテルは、どのあたりにあるのだろう?」
AHSの係員に尋ねてみた。

「2つほどあるよ。どちらも値段はほとんど変わらない。」

わたしの窮状を察してか、さっきまでのぶっきらぼうな応対とは打って変わり、
ネットで調べてくれた。親身な気持ちが伝わってきた。

ありがとう、と礼を述べ、わたしは外へ出た。
スーツケースとキャリーカートの2つを転がしながら、最初に目についた
ホテルの案内表示をたどって歩いた。

それは、Maritim Hotelだった。
受付の彼は端末をたたいたが、すぐに、満室です、と申し訳なさそうに応えた。
近くに、Sheraton Hotelがあるので、そちらも試してみたらどうですか、と
付け加えた。すぐそこですよ。

教えてもらったとおりに歩くと、Sheratonはすぐだった。
たしか、31階が受付だった。
しかし、ここも満室だった。

Maritimには、訊いてみましたか、と尋ねられた。
だめだった、と応えたところ、受付の彼は自分が知っているホテルを
あたってみようかと提案してくれた。

それはありがたい、とわたしはその申し出を受けた。

彼が探してくれたのは、空港からタクシーで12ユーロほどのところにある
ホテルだった。
「From Sheraton」
これだけで、すぐに通じて、323号室のカギを渡してくれた。

すでに23時半になっていたが、まずはビールを一杯飲みたかった。
階下におりて、バーのカウンターで白ビールを頼んだ。

IMG_4832_R.JPG

空港に到着したのが21時半頃だったから、こうして落ち着くまでに
ほぼ2時間ほど費やしたことになる。
とりあえず今夜の宿だけは何とかなった。

ホテルのWifiを使って、妻にskypeで電話をかけた。
今夜の雷雨のために、妻の公演も中止になったとのことで、すでに
家に戻っていた。

空模様がおかしかったので、みんなで「雨よ降れ」と祈っていたらしい。
今夜の公演が中止になっても、ギャラには影響がないから、こんな空模様では
やる気がなくなったらしい。

おかげでとんでもない夜になったと、愚痴の一つも言いたかったが、
その元気もなかった。

「ねえ、今夜のうちにANAに電話して、明日のフライトの予約をした方が
いいんじゃない?」
妻は提案してきた。もっともである。

このまま眠ってしまうと、おそらく午前5時に空港カウンターに出向くのは
体力的にかなりきつい。
しかも、デュッセルドルフから日本への直行便はたしか、今夜乗り損ねた
NH210以外にない。

フランクフルトあたりで乗り継げば、便数が多いので早く帰れるかもしれないが、
幸いトレーダーという自由な稼業なので、出社を気にする必要はない。
トランジットのために、空港の固いイスで2時間も過ごすのはイヤだ。

一回飛行機に乗ったら、まっすぐ日本に帰りたい。

それにわたしは日系の航空会社が好きである。
2ヶ月もヨーロッパにいると、日本式のサービスに飢えてくる。


筋から言うと、遅延したオーストリア航空を通して手配するのかもしれないが、
乗りたいのはNH210である。

方法は2つだ。
空港カウンターに行くか、電話で済ませるかだ。

早朝から空港に出かけて、並んで、20:00発のフライトを取るのは悲しい。
運良く取れたとして、夜までの12時間をどうするのだ。
またタクシーでホテルに戻っても、正午まで眠るなんて不可能である。
それに、乗り継ぎ便を覚悟で出向くとしたら、荷物を持っていくだろうから、
そもそもそんな選択肢などない。

これはもっとひどい。

「わかった。そうしてみる。」

ビールを飲み終えると、わたしは部屋に戻った。
部屋でPCを起動すると、妻からメールが入っていた。
ANAの連絡先である。

音楽家でありながら、妻はこういう実務がおそろしく手早い。
感謝しながら、手順を考えた。

まずは、skypeにクレジットカードからチャージをしないと残高では
足りないはずだ。

ANAにつながったら、次のフライトの予約とホテル台・タクシー代の
精算手続きをどうするかを確認する必要がある。



結局、ANAの窓口に電話がつながったのは、1時間半後であった。
どうせすぐにはつながらないことはわかっていたので、浴室のドアを
開けたままにしてバスタブで身体をのんびりと伸ばしていたとき、
電話がつながった。


おもむろにバスタオルを身体に巻き、窓口の人と話した。
やはり、NH210が一番よいことがわかった。
本来は遅延した航空会社が次のフライトは責任を持って手配するのが
原則だが、ANAでもできますから、すぐにやりますとのこと。

座席も電話後10分もすれば、ネットから指定できるとのこと。
また、請求はオーストリア航空にすることになるらしい。

こうしてフライト予約が完了して、ベッドに入れたのは午前3時であった。

skypeの料金は、ほぼ400円くらいであった。
この程度で日本の窓口とやりとりできたのは、実にありがたい。

チェックアウトは正午なので、ぎりぎりまで眠る気になれば、8時間は
確保できる。

ちょっとばかりホッとできたせいか、あっという間に眠ってしまった。
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