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乗り継ぎ失敗の顛末 1 [旅行]


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乗り継ぎ失敗の顛末である。

1.本来の帰国予定
  7月21日(土) オーストリア航空 OS155 ウィーン 17:40発
                    デュッセルドルフ 19:15着

  7月21日(土) 全日空 NH210 デュッセルドルフ 20:00発
                 成田       14:30着

2.実際の搭乗
  7月21日(土) オーストリア航空 OS155 ウィーン 20:00発
                    デュッセルドルフ 21:20着

  7月22日(土) 全日空 NH210 デュッセルドルフ 20:00発
                 成田       14:30着

つまり、帰国が丸一日遅れた。

どのようにしてこのような事態が発生して、どのような対処をしたのかは、
以下の通りである。

21日(土) ウィーンでの搭乗は滞りなくできた。
わたしはもともとすべての行動に関して、余裕を持つようにしている。

空港での免税品を購入することに関して、まったく関心を抱いていないから、
搭乗ゲート付近で空港の無料Wifiにスマホをつないで、なんとなくネットサーフィンを
やっていた。

機内で着席するとき、夫婦連れの客から座席を交換してほしいと頼まれた。
22Aの夫が23Aの私と交換すると、なるほど二人が並んで座れる。

同じ窓際同士であり、彼らも受けてもらいやすいと判断したのだろう。

わたしは快諾した。

22Bと22Cは若いドイツ人女性の2人連れであった。
わたしたちのやりとりを見ていて、やさしいのね、というような表情で
私にほほえんだ。

これは印象的であった。
なぜかというと、オーストリア人の場合、このような状況では男女に関わりなく
おおむね無表情でいることが多いのだ。

別に冷淡というのではないのだろうが、自分にとって関係がない出来事について
関心を示さないのが通例である。

したがって、今回のように自ら笑顔を向けてくることなどまずない。
新鮮な驚きだった。
(しかも、20代前半のすごくきれいな2人だったのでなおのこと印象に残っている、
というのは、妻には内緒である。笑 ヨーロッパでも日本と同様に、きれいな女性は
ごく少数である。)


本題に戻す。

そんなやりとりのあと、わたしはぼんやりと外を眺めていたが、雨粒が窓に
目立つようになった。
それはあっという間に激しい雨に変わった。
雷もきらめいていた。

機長から30分ほど離陸を遅らすとアナウンスもされた。

CAに乗り継ぎ便のチケットを見せながら、どうしたものだろうと質問はしてみたが、
「どうしようもない。デュッセルドルフの地上職員に尋ねてほしい」
という返答だった。

彼らの職権とは異なるものだから、予想された返答である。
しかし、万が一ぎりぎり間に合うかどうかのタイミングで到着したら、先に下ろして
くれることもあるから、ひとまず知らせておこうというのが動機であった。

しかし、その30分後には、空港が閉鎖されて、離陸はさらに遅れるとアナウンスされた。
もはや乗り継ぎは絶望的である。

隣の女の子が話しかけてきた。
彼女たちはウィーンで休暇を楽しみ、これから自宅のあるデュッセルドルフに帰る
ところだと言っていた。

わたしが日本人であることはすぐにわかったらしい。
東京には友人が住んでいるとも言っていた。
デュッセルドルフには多くの日本人が住んでいるので、何らかの接点があるのかもしれない。

わたしのつたない英語でも十分にやり取りが続くくらい、彼女の英語は明瞭で
わかりやすかった。


デュッセルドルフ到着後、彼女たちに別れを告げ、わたしはオーストリア航空の
カウンターに向かった。

しかし、誰もいない。

オーストリア航空に限らず、航空会社のカウンターには誰もいないのだ。
いや、そもそも空港自体に人気がない。
到着便の出口に迎えの人たちがひとかたまりいるだけなのだ。

しかたなく、インフォメーションに向かった。
搭乗券を見せながら、どうすべきかを尋ねたところ、まずは機内預けのスーツケースを
AHSで受け取ってくださいと指示された。後で調べたところ、ロストバゲージを扱う
部門らしい。
今後の行動もそこで教えてくれるだろうとのことであった。

AHSでは、入り口のブザーを押すと、大きな台に搭乗券とパスポートを置くように
インターフォンから指示された。
上を見るとカメラが取り付けてあり、わたしの顔とパスポートを照合していた。

なかで再び搭乗券とパスポートを提示しながら、オーストリア航空の遅延により
乗り継げなかった旨を伝えたところ、わたしのスーツケースを運んできた。

それを受け取り、今後どうすべきかを尋ねたところ、航空会社のカウンターに行けと
いう指示であった。

今行ってきたところだが、誰もいないと答えたのだが、指示は相変わらず「行け」
である。
なんでもオーストリア航空の窓口業務はルフトハンザがやっているから、そこで
対応してくれるはずだというのだ。
彼にとって、この対応はマニュアル通りなのだろう。
言い争っても仕方ないので、再びカウンターに向かった。

航空会社のカウンターには当然のごとく誰もいない。
たまたまオーストリア航空の親会社のルフトハンザの職員が奥から出てきたので、
尋ねた。

彼は一瞬、同情めいた表情を見せた後すぐに笑顔に戻った。
そして、
「そいつはたいへんだったなあ。まあ、明日カウンターが開く頃にまた来てく
れ。ホテル?自分で探してくれ。なに、レシートを持ってきたら金は航空会社が
払うよ。じゃあな。」
と、陽気に言い放った。

おいおい、天候による遅延は仕方ないかもしれないが、客を放り出してみんな帰って
しまうなんて、ちょっとあんまりじゃないか、とは思ったが、
今は怒っている場合ではない。

今夜の宿泊場所と新たなるフライトの確保が最優先である。
しかたなく、先ほどのAHSで再び尋ねるしかないので、きびすを返した。


途中で機内で隣にいた二人連れの女の子に出会った。
どうやらサンドイッチか何かで簡単に食事をしていたらしい。
二人と少しおしゃべりをした。
今更急いでも事態は大きくは変わらないだろうと直感的に感じていた。

二人は、幸運を祈ると言って、手を振りながら去って行った。
彼女たちが本気で心配してくれたことだけでも、少し心が温かくなった。


AHSに戻ると、今回はパスポートと搭乗券の提示無しにすぐにドアを
開けてくれた。

そして、
「カウンターはもう閉鎖されていたよね、明日の朝5時以降に来てくれれば
次のフライトは取れるよ。ホテルは自分で取ってね。」
と、先ほどとは打って変わって笑顔の対応である。

笑顔はありがたいが、要するに、すべてDo it yourself なのだ。
長い夜になると観念した。



IMG_4829_R.JPG 
デュッセルドルフ空港着陸前の夕焼け。
このときには、こんな大事になるとは想像していなかった。 
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