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追記 [旅行]


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散水車の彼とおしゃべりしたことのついでに、ふだん感じていたこと。

かなりデリケートな話題なので、誤解が生じないことを祈りながら
書いてみようと思う。


これはすごくおおまかな印象であり、個人差が極めて大きい事柄なので
個人レベルではあてはまらない場合が多いという前提で書くのだけど、
また、当然ながらヨーロッパのほかの地域まで同じだとは断言できないことだけど、

ここヨーロッパでは、格差がすごく大きい。

まずはわかりやすい貧富の格差だ。

パン一つを例にとっても、1個95セントのパン屋の焼き立てゼンメル
(しかも、Bioで、かつ手ごね)を、普通に購入して食べている人もいれば、
安売りスーパーの10個入り99セントの袋詰めで生活している人もいる。

実際に試してみるとわかるけれど、同じパンでありながら、ほとんど
別物としか思えないくらい味には差がある。

ウィーンはまだましだけど、ヨーロッパで外食をするとかなり高くつく。
したがって、ほとんど外食をしない人たちもけっして珍しくない。
外食をするということは、サービスしてくれる人たちにチップを払うと
いうことであり、しかもお店の格により金額は異なるのだ。
(旅行ガイドに書かれているあの数字は、けっこう高めである。
あれだけ払えばたしかにお店の人は喜ぶ。現地の人たちはもう少し微妙な
さじ加減をしている。)


妻の言うところによると、音楽で働いている人たちの中でも、東欧や中南米から
やってきた人たちは、相当生活費を切り詰めている場合が多いらしい。

だから、打ち上げのパーティで提供される食事やお酒をたらふく詰め込むのを
楽しみにしていることもあるらしい。
これはおそらく音楽家に限らないのだろうと思う。
そんなときでなければ、外では食べない人たちも意外なくらいたくさんいるのだ。

朝ごはんが、スーパーの肉屋でつくってもらったサンドイッチという人も
けっこうたくさんいる。(これ、野菜など入っていない。野菜入りが欲しければ
パン屋さんに行く必要がある。ぐっと高くなる。)


そして、こんな事情をさらにややこしくしているのが、移民問題である。
美しい理念とは別に、雇用機会が奪われるという恐怖、自分たちの税金が
自分たち以外の人たちにつぎ込まれるという割り切れなさ、治安の悪化等
社会不安が募る条件ばかりが増大している。

そんなわけで、今でも社会を構成するのは大部分が善良な人たちだから、
ウィーンは相変わらず穏やかな都市だけど、そんなウィーンでも明らかに
不満を抱えている人たちが増えている。

わたしたち旅行者でさえ、たまにはあまりうれしくない接遇を受けることがあるの
だから、散水業務をこなしていた黒人の彼など、ふだん何らかの差別を受けていた
としても、不思議ではない。

古くからなじみの黒人のバーテンダーとなぜとなく仲良くなれたのも、
同じ有色人種のよしみだったとも言えなくもないなと、思う。


そんな差別の構造を単純化してしまうと、次のようになる。

ネイティブの裕福な人たちの場合、外国人や移民による脅威はほとんどないので、
おおむねフレンドリーである。
(もちろん、お金持ちがみんなフレンドリーでないのは、どこの国でも同じですが)

しかし、同じネイティブでも貧しい人たちの場合、自分の職を奪われかねない
アジア系やアフリカ系にはよくない印象を抱いている場合もなくはない。

東欧からの移民には、さらに微妙な事情がある。
「自分たちはヨーロッパ人だから」というプライドがからまってくるのだ。

共産主義や社会主義によって立ち遅れてしまったけれど、本来ならば自分たちは
有色人種よりも優秀な民族なのだ、というような意識が時々見え隠れしている。


いろいろなものが複雑に影響しあっていて、ちょっと切なくなってくる・・・・・・
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