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上海株バブル弾ける? [トレーダー]


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上海総合指数が下げましたね!

最近の中国の経済指標が悪化している中で、上海株がバブルであることは明白です。
ただ、いつ弾けるのかとなると、その時期を事前に予想するのは非常に困難です。

テクニカル的には、前回2007年10月の6124ポイント付近を節目と想定するのが
素直な見方の一つでしょうが、ファンダメンタル的に前回とかなり異なっており、
さすがにそれはないだろうというのが、わたしの見方です。

そのあたりについて以下具体的に述べます。


前回2007年にも、「上海株バブルはいつ弾けるか」はよく議論されていました。
チャートを見ていただけばわかるように、このときの上昇もたいへんなものです。

上海_日足.PNG
上海総合株価指数 日足です。

上海_月足.PNG
上海総合株価指数 月足です。

この時期、賃金上昇等により、中国はそれまでの労働集約型産業構造では、いずれ
たちいかなくなることがはっきりしてきました。
産業構造の転換が計画されました。

しかし、四川大地震や北京オリンピック直後の2008年9月のリーマンショックに
より、中国は大型の景気対策を打たざるを得なくなりました。

本来ならば、「労働集約型産業からイノベーション型産業構造への転換」を図る
政策が必要であったのです。しかし、雇用を維持するためには、従来の「鉄鋼・
セメント等のインフラ型産業」を重用する以外になかったのです。

これが重要なポイントの一つです。

現在の習近平政権も、このときの景気刺激策で肥大化した「インフラ型産業」を
十分には削減できていません。今年話題になっているアジアインフラ投資銀行には
政治的経済的に相当大きな野望が秘められていますので、その全容について
簡単には書けません。
しかし、中国国外のインフラ投資を増やして、国内の過剰なインフラ型産業の
販売先を確保するには格好の仕組みであることは間違いありません。

さて、以上のように、構造転換が不十分なままに迎えた今回のバブルは、
前回よりはるかに危険な兆候を見せています。
以下、2007年と今年2015年を比較してみます。


1.GDP成長率と消費者物価上昇率
2007年
・GDP成長率(年間) +14.7%
消費者物価上昇率  +8.7% (2008年2月 対前年同月比)

2014年
・GDP成長率(年間) +7.4% 
消費者物価上昇率  +1.4% (2015年3月 対前年同月比)

2007年は北京オリンピックと上海万博を控えて、中国は高い経済成長率
継続していたが、2015年中国経済の減速は明白です。


2.金融政策
2007年
・バブルを警戒していたため、引き締め気味

2014年後半~
・中国人民銀行は2回の利下げと2回の預金準備率引き下げを実施し、 
 明らかに金融緩和の政策が行われている。


3.株式市場と不動産市場
2007年
・株価の上昇と不動産市場の上昇が同時に起きていました。
 そして、ほぼ同時に調整局面に入りました。

2015年
不動産市場が低迷する中、株価が上昇しています。
 不動産市場では利益を出しにくくなったため、不動産市場に流れていた資金が
 株に流れるようになったので、株価の一層の上昇を促進しています。

4.外貨準備高
2007年
・北京オリンピックや上海万博を控えて、外国から投機資金
(ホットマネー)が流入するとともに、輸出増により外貨準備高が
 急速に積み上がり続けていました。

2015年
・諸外国からの中国への投資資金は引き上げられつつあり、資金流出超
 となりました。輸出の不振もあり、外貨準備は減少傾向にあります。
 中国の保有するアメリカ国債も減少傾向にあり、2015年2月には
 日本に抜かれて世界2位となりました。


以上のような特徴があります。
いかがでしょうか。

こうした違いを考慮すると、上海株が下落局面に入ったときの
中国経済に対する影響は、前回に比べてとてつもなく大きなものに
なると予想されます。

前回は経済全体が拡大を続けていて、外国からの資金流入も大きかった
ことから、上海株の下落は他の部門で吸収されやすかったのですが、
現在ではほとんどすべての経済分野が低迷しており、この状態で上海株が
下落局面に入ったとき、その負担を吸収できる分野が中国経済にないのです。

前回に比べて、ハードランディングする危険性は相当高くなっていると
言わざるを得ません。



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