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システムトレードの落とし穴と情報商材の利用法 [トレーダー]


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システムトレードというのは、たいていの初心者が一回は踏んでしまう地雷です。

理由は明快です。

1.トレードは確率的な事象だから、期待値がプラスの試行を繰り返せばいい。

2.多少、収益には波があるだろうけれど、忍耐強く継続すればいいのだから、
初心者が取り組むには適しているはずだ。

3.決まり切ったことを繰り返すだけだから、本業の仕事をやりながらでも無理なく
取り組めるはずだ。

4.そのシステムを自分で作るのが本当はいいのだろうけれど、どうやっていいか
わからないし、面倒くさい。
ネット上でときどき販売される情報商材だって、中にはきっと使えるものがあるはずだ。
ひとまず、試してみよう。


まあ、誰かがこしらえたシステムにこんな心理でなけなしの金をつぎ込むわけです。
しかし、どうでしょうか、そういう購入したシステムで継続的に利益を上げている
人がいるでしょうか?

いないはずです。

その理由もまた、明確です。

たとえば、わたしの生活費の元となっている日経225オプションを例に書いてみます。
オプショントレードを始めると、だいたい売りに取り憑かれます。
勝率が高いので、ほとんど毎月利益になるからです。
こんなに毎月口座残高が増えていくのであれば、これを本職にしてもいいのではないか。
そんな事を真剣に考えるのです。

しかし、あるとき、とんでもない損失を出します。
今まで得ていた利益は、時折起きる相場の大きな変動というリスクの代償だった
からです。
そのつけを払わされたというわけです。

そんな経験をすると、なるべく安全に実行するノウハウを知りたくなります。
やはり、裁量判断による方法とシステムトレードによる方法の2つしかありません。

裁量判断にはそれなりに訓練期間が必要です。
しかも、習熟できるかどうかという問題もあります。
本職の仕事をこなしながら、そんな訓練をするのはきついです。

したがって、簡単に購入できる次のシステムトレードについ手が出てしまう。
わかりやすい。笑

少し考えれば、もしそのシステムで本当に儲かるのであれば、販売せずに自分だけで
ひっそりと稼いでいればいいことが分かります。
わざわざ小銭稼ぎのために、虎の子のノウハウを販売する必要などないのですからね。
しかし、それを売るというのには当然ながら理由があります。

それを使用するよりも、売る方が儲かるからです。笑
もっと言ってしまえば、使用するために作ったのではなく、売るために作った商品
だからですよね。

システムトレードでは、過去データに基づいて手法を決定します。
ところが、自分でやってみるとわかるのですが、うまくいく方法などまずない。
皆無と言っていい。

日経225オプションは1989年に始まりました。
試しに、1989年から1999年のデータをもとにシステムを作り、それを2000年から
2010年で運用したとき、満足できる成果を得られるシステムはごくわずかです。

しかも、たとえそれらの優秀なシステムであっても、2011年から2020年では
どのような成果になるか何の保証もない。

相場の値動きに規則性などないためです。

過去データとはまったく異なる値動きは、時期は分からないが必ず発生します。
「べき乗」という概念がありますが、それで取り上げられる現象と同類であり、
あることがきっかけで下落するとしても、過去データではせいぜい300円から
500円程度だったのに、今回は1500円も下落した、今回はなぜか100円程度だったし、
すぐに反発した、などということが時折発生するのです。

やっかいなのは、原因となったニュース・イベントが同じでも、起こる値動きは
千差万別です。

株式市場では、決算発表で下方修正があったとき下落だけでなく、悪材料出尽くし
とされて、むしろ上昇することがありますが、これと同じ事がもっと大きな値動き
として起こるわけです。

つまり、システムトレードとは過去データから得られた優位性を
「信念」
として、墨守する方法です。
こうした複雑さは、意図的に無視してしまおう、という態度です。
これは別にけなしているのではなく、無視したとしても致命的な損失にならなければ
それはそれでしかたないだろう、と決断するわけです。
裁量トレードに関しても、基本は同じです。
(実際、やってみると、「何かおかしい」という直観が働くこともあります。
これがなかなかに馬鹿にならない。利益は削っても、とんでもない損失を回避できる
ことが時々あります。
ただ、これに振り回されると、トレードがてんでバラバラになってしまいます。)

また、そのシステムの出来不出来と関係ない要素もあります。
相場は、上がるか、下がるか、持ち合うか、の3つしかありません。
信念のみで行動しても、相場状況次第では儲かります。
誤解のないように繰り返しますが、その優位性どうのこうのよりも、ある信念に
こだわりそれを遵守する行動が成果に結びつくことがあり得るのです。

しかし、一貫していれば絶対にそれがよいかとなると、そうとも言い切れない
ことがあります。
行動のブレはただの迷いですが、もし相場とシンクロしていれば状況による臨機応変は
柔軟性としてよい結果を生むこともあり、これはきわめてデリケートな問題です。

・相場状況
・過去データに基づく優位性
・一貫した行動と柔軟性

1.日々変化するウィルス
2.過去データに基づくワクチン
3.一貫した行動を行いながら、フィードバックを反映できる柔軟性
 (新種ウィルスへの対応)

もうおわかりになったかと思いますが、作業としては2がもっとも簡単です。
(質的には、困難も多いのですが)
難しいのは、3です。

使えるのは、過去データに基づくツールだけなのに、致命的な結果にならないように
しなければいけない。
基本的には過去データに基づいたルールの遵守です。
しかし、そのルールにこだわらないとする場合も事前に規定しておく。
先ほどの直観の例です。

これはもはや個人の責任で行う範疇です。



さて、販売されているシステムトレードの話題に戻ります。
まず、質的に大半のものは有害無益です。笑

特に、オプションでSQ近辺でエントリーして、次のSQ決済に持ち込む、
というようなものは、必ずと言っていいくらい破綻します。
たいていのものは売りを入れていますから、放置した場合、いずれ破綻せざるを
えません。
ただ、相場次第では数年間は機能するかもしれませんから、見分けが難しいです。

ごく少数の優良な商材もありますが、それらに共通するのはそれを使用する
ために、スキルを磨く必要があるものです。
つまり、訓練が必要なものです。
そのためには、トレード履歴を提供してもらえるものが必須です。

チェスや将棋の棋士が、過去の棋譜を研究するように、スキルを向上させるためには
成功している人間の行動を研究することです。
人間が違うのですから、そっくり真似することなど不可能ですが、研究を重ねて
いくうちに、自然と自分の個性が表れてきます。

上手になるためには、お手本が必要です。
上達するにつれて、おのずとお手本から離れていきます。
そこまでいったときが、やっと独り立ちの始まりです。

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