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ウィーン街歩き 21 クリーニング店と高級レストラン [旅行]


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先日、ドレスシャツをクリーニング屋さんに洗濯に出しました。
通常はアイロンがけの必要のないシャツを使っていますが、
妻の知り合いの方がハウスコンサートを行った際には、さすがに
糊の利いたシャツが必要なので、それを準備するためです。

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壁のポスターでも分かるとおり、相当な老舗です。
100年以上続いているようです。

日本ではビニール袋にパックしたりかぶせたりするのが一般的ですが、
ここではたたんでから店の専用紙で包むことになっています。

日本のたたみ方より一回り大きくたたんでいますので、置き場所はやや
かさばります。(料金は、シャツ1枚 3.5ユーロでした。)



ご存じの方も多いかもしれませんが、ヨーロッパで襟付きのシャツを着て、
スーツで仕事をしている人たちはある種の実体的なステータスを持っています。
日本でのスーツ姿はありきたりなのに比べ、大きく異なるところです。
かれらのスーツは仕立てがいいので、われわれの既製服とは段違いと
いうのもあります。

ウィーンもその例に漏れず、「ホワイトカラー」は他人の目にもはっきりと
わかるようなプライドを持っています。

例を挙げるならば、地下鉄には乗らない、短距離フライトでもエコノミークラス
ではなく、必ずビジネスクラスを選ぶなどです。
(ヨーロッパ域内のフライトでは通路を挟んで3席×2=6席のエアバスA320系が
使われていて、ビジネスクラスといっても、ただ前方の座席で食事が出るだけ
という程度の扱いなので、わたしにはほとんど価値を感じられません。)

店に出入りするお客さんたちからも見当がついたのですが、その種の
階層の人たちが利用するクリーニング店のようです。



ふだん街歩きをしていて、この種の人たちに遭遇する場面は多くありませんが、
次のようなレストランでは頻繁に遭遇します。
生活空間が異なっているというわけですね・・・・・


※わたしも通常はこのようなレストランは利用していません。
たまたま必要があってこのときに行っただけです。
なお、デリケートな話題になりますので、お店が特定できるような
写真は避けることにします。

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ちなみに、このレストランはメンバー制で、一般の人は火曜日と
日曜日限定で利用できます。
普通に年会費を支払うと、馬鹿臭いくらい高額です。


しかし、店の人間が認めてくれると、その限りではないというところが
いかにもヨーロッパ的です。
つまり、年会費を払わなくても、会員同様の扱いをしてくれるのです。
ウィーン在住ではない場合、年会費を支払うのはあまりに不合理ですから、
そのあたりを考慮した柔軟な対応といえるかもしれません。

条件としては、
・店の格式に見合った風采であること(服装、外見)
・店に利益をもたらしてくれること
 (売り上げ、チップ)
だと推測しています。


特にチップはかなり重要な要素だと思われます。
(これは大衆的な店ではほとんど意味がありません。
彼らにはチップに見合うだけの便宜を図れる何かがないからです。)

なぜこんなことを感じたかというと、このときに実際に体験したからです。

クレジットカードで明細通りに支払った後に、相手の反応を知りたくて
現金でチップを渡したのです。
もとの料金が安くはありませんから、チップもおのずと大きくなります。
そして現金ですから、金額は他の誰にもわかりません。

チップのユーロ紙幣を受け取った相手が、笑顔で手早く自分の名前を
記した紙をそっと渡してくれたことは非常に印象的でした。

この国では、営業スマイルであってもこれほど完璧なスマイルには
なかなか出会うことはできません。笑

そんなとびきりの笑顔とともに、彼女はそっと小声でメッセージを
ささやいてくれました。

次回は火曜日・日曜日でなくても、わたし宛に電話してくだされば、
予約を入れておきます。
もし、わたしがいなくても、わたしがOKだと言ったと伝えてくれれば
問題ありません。次回もよいお席をお約束いたします。

彼女の一存と言うよりも、店自体の方針なのですね。

いろいろと考えさせられるヨーロッパの側面です。
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