SSブログ

検証と訓練 1 [トレーダー]


スポンサードリンク

トレードを始めたばかりの人たちと話をして、気がついたことです。

まず、「すぐにでも、稼ぎたい!」

実際に言葉にするかどうかは別にして、実に、あっけらかんに、
その気持ちが伝わってきます。

どうやら、稼げる手法がわかれば、それをなぞっていくだけで稼げると
単純に信じているとしか思えません。

自分もかつては同じだったので、大きなことは言えませんが、
「おれも、こんなに無邪気だったのか・・・・・・・」
と、愕然とします。


勝てる手法はたしかに存在します。
しかし、無敵ではありません。
かなり負けます。
精神的につらくなって、継続できない場合が多いものです。
借り物の手法は、信頼できないから当然のことです。

自分が使うツールへの信頼感は、自分で築くしかありません。
それには、その手法で行った場合の事例を具体的に検証する必要が
あります。
また、この検証作業自体が、その手法を運用するときのスキルを高めて
くれます。


具体的な作業です。

わたしは裁量トレーダーなので、裁量トレードという枠内で、自分が理解しているもの
について書きます。



1.検証する手法を決める

  まずは、手法が定まっていなければ始まらないので、とりあえず決めます。
  「とりあえず」というのは、リアルな事実で、たいていは楽でわかりやすくて、
  短期間に儲かる、という手法に惹かれてしまうので、最初に選んだやつは
  たいていダメです。笑
 
  そのうち、「なんか、地味・・・・・。儲けも少ない・・・・・」という手法に不満を
  感じなくなった頃、手法探しも落ち着きます。
  (そのころまで、資金を喪失しなかった場合です。)



2.その手法でトレードしたとしたときのチャートを、収集する。

  FXであれば、少なくともドル円、ユロ円、ユロドルについて、それぞれ
  1年分に関して(ここ、肝心。後述します)、どこでエントリーして、どこで利食い
  あるいは損切りして、成績はどうなったかを記入する。

  そして、その成績を集計する。



3.2で収集した資料を、分類・整理・考察する。

  つまり、資料を印刷して、床に並べて、仲間わけします。
  似たもの同士の山ができます。

  その似たもの同士を比較するわけです。
  また、異なっているもの同士も比較するのです。

  ここで、いやでも発見があります。

  これ、ものすごく効果的です。



  具体的には、次のような効果があります。

(1) 自分の手法の優位性は、いったいどのような原理に基づいているのかがわかります。

   自分の手法についての深い理解を伴わずに、継続して使用することなどできません。
   また、よく理解することで、「これはいける!」という直観もまた磨かれます。

   当然ながら、裏付けのない理解というのはわかったうちに入りません。
   裏付けも具体的な事実が必要です。
   この場合、言語、図表でアウトプットして、説明できたとき、わかったと言えます。

    

(2) 自分の手法が機能しやすい場面と機能しにくい場面を、具体的に提示できる。

    実例をあげながら、「こういうときにはうまくいきやすいけれど、
    こっちみたいなときにはあんまりうまくいかないんだよね」
    と、説明できるようになります。



(3) リアルトレードで、これからエントリーしようとしている場面が、
   過去の事例のどれと似ているかを説明できる。

   「エントリールールは同じだから、特に言うまでもなく、同じだよ」
   というような、大雑把な理解であるとしたら、絶対に勝てません。笑

   動物園の飼育員は、サル山のサルの顔を一匹一匹見分けられます。
   しかも、顔の見分けができるだけでなく、顔色や表情、しぐさ等から
   体調を把握できるそうですが、まさにプロです。

  トレーダーが、個別場面の特徴を区別できないとしたら、継続して勝てなくても
  やむを得ないではありませんか。
  

(4) シナリオ作成が上達する。

  過去の事例を豊富に理解しているのです。
  となれば、過去の事例から、先行きについて具体的に複数シナリオを
  想定できるようになるのは、ごく自然な成り行きです。
  
  歴史は常に新しくつくられます。
  しかし、まったく突飛な展開ばかりがいつも展開するわけではありません。

  過去の事例から想定できる動きの方が、そっくりではないものの、圧倒的に
  多いものです。

  したがって、過去データを盲信するのは不合理ですが、過去データによる検証を
  十分に行わずにいきなりリアルマネーを投入するのも、同様に不合理です。





トレード上達のための検証と訓練については以上です。

これを行えば、確実に上達します。



・・・・・・・・・・・・・・しかし、この手順にはたいへんな欠点があります。



「成果が出るまでには、気が遠くなるほど時間がかかる」

ということです。



各種スポーツと同じです。
筋肉トレーニングをやっても、実際にそれを体感できるまでには
相当な期間を要します。

英会話を学習しても、英語の音がスペルで聞こえてくるまでにも
同じように時間がかかります。


たいてい、うんざりします。


うんざりして、それでも我慢してやっていて、効果が見えず、
ほとんど埴輪のような表情になって、うんざりにさえ、無感覚になったころ、
初めてやっと、実感できます。

「もう、だめ・・・・・・・・ 限界、超えた・・・・・・・」

というころです。



だからこそ、トレードの世界に参入した人たちのなかで、3%から5%程度の
人たちしか生き残れないのは、当然なのでしょうね。


よっぽど優秀な人ならば別として、普通の人が達成するには、この
「うんざり」
は、必須だと思っています。


というわけで、3通貨1年分というのが、まあまあの基準ではないかと思いました。
(複数時間足による環境認識、1時間足でトレードの場合)

※わたしの場合、1時間足で勝てるようになってから、短い足も追加しましたので、
  短時間足の検証は試してはなくて、どれくらいやるべきかはよくはわかりません。
  15分足や5分足ならば、もっと短くても、相当なトレード数になりますので、
  もう少し短い期間でも十分だと思います。
  複数時間足によるトレンドの判断はあったほうがいい気がします。





そもそも、やったところで達成できるかどうかわからないものに、それだけの
人生を費やせるというのは、相当な変人でもあるわけです。
変人というのは、それほどたくさん存在しません。
また、達成できたからといって幸福かどうかはわからないものです。

無理をしないというのも、大半の人たちにとっては賢明な選択肢とも言えるのでしょうね。


※ この「うんざり」を乗り越える方法があります。
  それについては、また、後日、機会がありましたら。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

現在のポジション検証と訓練 2 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。