ウィーン街歩き 17 ホームレス [旅行]
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最近はクロワッサンと蜂蜜を入れたホットミルクを朝食にする
のが気に入っているので、焼き立てのクロワッサンを買うためだ。
外に出ると、舗道は雨でしっとりと濡れていた。
夜中にずいぶん降ったらしい。
今日は土曜日で市場は動いていないし、SQが終わってほっとしたので
眠りが深かったみたいで、全然気づかなかった。
僕はほぼ毎日スーパーマーケットに通っているのだけど、その道筋で
必ずと言っていいほど2人のホームレスに出会う。
一人は相当な年寄りの男で、教会の角の所で折り畳みの椅子に座っていて、
通り過ぎる人たちに目線を合わせず下を向いたまま、おはようと声をかける。
大半の人たちは無視していってしまうけれど、たまには小銭を与える人も
いるから、何とか続けていけるのかもしれない。
もう一人は、スーパーマーケットの入り口で、やはり折り畳み椅子に
座っている女性で、イスラム教徒がよくかぶっているようなスカーフを
している。
彼女はいつも愛想がいい。
たぶん、スーパーの店員よりも、ずっといい。
この二人を毎日見ていると、僕は複雑な気分になってくる。
日本でもホームレスは増えているのかもしれないけれど、ここではすでに
街の風景の一部になっている。
教会やスーパーに限らず、人々が日常生活で出入りするところには、必ず
といっていいくらい、小銭を放り込める入れ物を前に置いて座り込んでいる。
物乞いをしているホームレスがこんなにも日常的な風景になっていいのだろうか?
どこの国にもセーフティネットは一応整備されているに違いないのに、
街にこんなにもホームレスがあふれているとしたら、それは機能していないと
いうことになる。
今のオーストリアは経済も比較的うまくまわっていて、治安に関しても
周辺の国よりは、うんといい。
しかし、そんな国であってもこの程度にしかやれていない。
今の移民・難民問題もそうだけど、ずっと向かい合っていくしかないにちがいない。
向かい合ったところで、うまい解決策があるわけではないけれど、重要な
問題はすべてそういう意識を必要としている。
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